授業に関する近況、雑感12 世界史の授業で文章指導
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横断的文章指導の必要性
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生徒の文章力をなんとかしなければならない。授業のワークシート、テストの文章問題、入試の小論文など生徒の文章に接するたびにそう思う。教員になりたてのころはこういった領域は国語科の担当であると考えていたが、現在では、もはや国語科だけにまかせていられないと感じている。
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結局のところ、どんな科目・学問であろうと言語を通じて学ぶことは共通しており、なにも国語の授業だけに言語能力・文章力育成を任せることはない。というか現実問題として国語の授業だけでこちらの要求する水準の言語能力・文章力が身についていないのだから、こちらとしても、世界史の授業における文章指導をやらねばなるまい。
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指導対象を2つに分類する
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要改善の生徒の文章を見るに、大別して2つに分けられると思う。一つは文章が支離滅裂、主語や述語の対応がないなど、内容のレベルではなく、正しい文章として成立していない段階。もう一つは一文単位ではそれほどおかしくないが、時系列・因果関係・論理展開が意識されておらず文章全体としてみるとおかしいという段階である。
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個人的には前者のほうが、むしろ矯正しやすいというか、アドバイスがしやすい。後者のほうが文章構成を指摘せねばならず、こちらとしても赤ペンをどのように入れればよいか途方にくれることが多い。書くべき内容を変えたほうがよいケースも多いから、対面で指導したほうが楽なのだが、人数が増えてくるとそうもいかなくなってくる。
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こうした問題意識を抱えつつ、文章指導について、最近になって試行錯誤を始めた。次回はその実践内容を取り上げたい。