世界史の糸

レオナルドやエジソンにはなれないけれど

ジェネラリストでもスペシャリストでもない、一教師の試行錯誤の記録。旧ブログ名:世界史の糸から改題しました。

教材:金玉均「東洋のイギリス、東洋のフランス」

  •  金玉均「日本を見習わなければならない。日本が東洋のイギリスならば、朝鮮は東洋のフランスになるのだ」出典:岡百合子、『中・高校生のための朝鮮・韓国の歴史』201p

 

  •  最近意識しているのは、歴史上の人物の発言を収集しておくことである。教科書で学ぶ歴史事項が、歴史上の人物の発言によって生き生きと理解できる…ことを狙っている。例えば上記の金玉均は、世界史では甲申政変のところで登場するが、山川の『詳説世界史B』における記述は、
      • 「当時、朝鮮内部では、攘夷派と改革派の対立に加えて、改革派の中にも日本に接近して急進的な改革をはかろうとする金玉均らと…その結果、攘夷派の兵士らによる壬午軍乱(1882年)や急進改革派によるクーデタである甲申政変(84年)など内争がしばしばおこった。」
  • とされており、金玉均に対する説明は実にあっさりしている(別に金玉均に限った話ではないが)。金玉均らが目指したのは日本の明治維新にならった改革であったことなどは記述されていないが、教員が口頭で捕捉しつつ上記のような資料を使うと、金玉均に対するイメージが作りやすいのではないかと思う。なぜ日本=イギリスで、朝鮮=フランスなのかという問いを投げかけてみるのも面白い。
  • こうした名言録みたいなもの、特に歴史学習に特化したものがあると非常に便利だと思うのだが。もしこうした趣旨の書籍をご存じでしたらぜひご教授ください。