世界史の糸

レオナルドやエジソンにはなれないけれど

ジェネラリストでもスペシャリストでもない、一教師の試行錯誤の記録。旧ブログ名:世界史の糸から改題しました。

未実践:国土回復運動

未実践の資料問題。

次の資料を読んで、以下の問いに答えよ。

「国土回復運動」

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出典 アントニオ=ガラ、2007、『さらばアルハンブラ 下』352-3pp.

1 この資料はキリスト教徒側・イスラム教徒側のどちらの視点で描かれていると考えられるか。

 

2 この資料のタイトル「国土回復運動」を、より資料の内容・視点に沿った形で書き換えよ。

 

 

実施時に想定される問題と改善点

 山川教科書では15世紀後半イベリア半島におけるキリスト教イスラームの攻防を、明確にキリスト教徒側から描いているため、イスラームの視点を取り入れ相対化させようとこの資料を選んだ。この資料を使う利点は、

といった点がある。

 しかしこの資料単体では逆にキリスト教徒に対する悪いイメージが定着しかねないと思い、キリスト教徒視点の資料を同時に使おうと思ったが、間に合わず授業が終わってしまったため結局この資料問題は実践しなかった。キリスト教徒視点の良い資料があれば、最終的にはキリスト教徒とイスラームの、相手方への対応について、自分の考えや感想を書かせることでまとめさせたい。その場合はやはり時間がネックになることが予想される。2つの資料読解+感想の記述となると、20分あっても足りないかもしれない。

 もしくは侵攻を受ける側に視点を統一して、比較させるのもいいかもしれない。つまりイスラームが侵攻を受ける際の題材として今回の資料を、そしてキリスト教が侵攻を受ける際の題材として西ゴート王国の滅亡を取り上げる。侵攻する側・される側ではなく、侵攻される側で視点が統一されるため、生徒にとっては思考が容易になるかもしれない。