世界史の糸

レオナルドやエジソンにはなれないけれど

ジェネラリストでもスペシャリストでもない、一教師の試行錯誤の記録。旧ブログ名:世界史の糸から改題しました。

紹介:Ellis, E. G., Esler, A., World History Connections to Today Teacher's Edition その7

以前紹介したアメリカの歴史教科書Ellis, E. G., Esler, A., World History Connections to Today Teacher's Edition,(Prentice Hall,1999)の、史料パート紹介の続き。
 
以下、該当文献からの引用。
マグナ=カルタ
概要:1215年、諸侯たちはジョン王に対して、マグナ=カルタへ署名させた。諸侯たちは王の軍事行動と重税に苦しんでいた。この文書の目的は王権の制限と、諸権利の確認 ―陪審裁判や適切な法的手続き、恣意的な生命・自由・財産侵害の禁止など― である。以下は全63カ条中、5カ条を抜粋したもの。
 
要約Document in Brief:マグナ=カルタは王・女王も法に従わねばならないという原則を確立させた。
 
本文:第2・12・14・39・40条(省略)
 
史料分析Analyzing the Document:上記の抜粋を参考にして、以下の問いに答えよ。
  1. 第2条に記載された権利を、王は ― に認めている。
  1. 後継者のいる自由人たちのみ
  2. 王の後継者たち
  3. これ以降、すべての自由人及び彼らの後継者たちに
  4. イングランドに現存するすべての自由人
  1. 第14条は、王は新税を定めるまえに、諸侯らの集会(封建的集会)に諮らねばならないと定めている。この条項はそれに加えて王に ― を禁じている。
  1. 事前の通達なしの集会、もしくは直前の通達による集会
  2. 税に関する法律を制定するために一般評議会を招集すること
  3. 集会を招集する前に、一般評議会に相談すること
  4. 州長官や郡代を招集すること。
  1. C.T. Making Inferences
  第40カ条は、当時の王権の腐敗についてどのようなことを示唆しているか。
 
 
以下、ブログ投稿者のコメント。
 マグナ=カルタも、高校教育の現場では主に公民が担っているイメージがある。私自身のこれまでの実践では、ジョン王の失政とイギリスにおける議会の確立という、山川教科書にそった文脈で若干触れる程度であった。非常に有名な史料でありながら、活用することができていない。
 次回の資料紹介では、日本の世界史教育において、マグナ=カルタがどのように教授されているのか、アメリカのこの教科書と対比しながら考えてみたい。