世界史の糸

レオナルドやエジソンにはなれないけれど

ジェネラリストでもスペシャリストでもない、一教師の試行錯誤の記録。旧ブログ名:世界史の糸から改題しました。

実践記録:中華人民共和国の建国宣言

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中華人民共和国の建国宣言

文章で表現しましょう。

  1.  右の写真の人物は誰で、いつ、何をしているのか。
  2. この写真を「結果・事後」とすると、「原因・事前」は何か。
 
  • 対象学年 3年生
  • 教員のねらい
  問1では、5W(いつ、どこで、誰が、何を、なぜ)のいくつかを答えさせることで、基本的知識を確認させるとともに、人物や出来事を視覚的に分析させる。
 問2では「原因と結果」「事前と事後(影響)」という形で、写真資料を用いて歴史的な因果関係、写真資料に示された出来事による影響などを記述させる。歴史的知識の正確さとともに、それらを関連づける力の育成を目指す。
 なお写真資料出典は『詳説世界史B改訂版』(2019),376p.
  • 想定難易度
 かなりやさしい。教科書に掲載されている資料を用いたため、その資料のキャプションと、近くの本文を参照すれば回答できる。想定作業時間は5分程度。
 
  • 実践してみた結果
 予想以上に手こずっていた。グループワークで取り組ませたため問1に関しては掲載箇所を見つけ、比較的早く情報共有しているが、問2に関しては初めて見る形式のためか戸惑い、時間がかかった。「原因と結果」「事前と事後」という文言が長期的スパンをイメージさせたのか、教科書をずいぶん前の方までペラペラめくっていたり、資料集を闇雲にめくったりしていた。普段、因果関係や時系列を意識していないことが推測される。5分ではとてもやりきれず、全く記述できない生徒もちらほらいた。
 
  • 改善策
 別クラスでの実施では、「基本的に教科書のみで回答できる」「そんなに広範囲を参照する必要はない」と最初に指示する事で、時間が短縮できた。それでも文章化が苦手なためか、5分ではできなかった。いくら教科書にほぼ答えがかいてあるとはいえ、さすがに時間設定が厳しすぎた。「短時間の資料活用の取り組みを、できるだけ毎時間」を目指しているため、時間設定を短くしすぎる失敗を繰り返している。