世界史の糸

レオナルドやエジソンにはなれないけれど

ジェネラリストでもスペシャリストでもない、一教師の試行錯誤の記録。旧ブログ名:世界史の糸から改題しました。

実践記録:同時多発テロ事件

右の写真はいつ、どこの、何の出来事を示すものか。また右の写真を「結果・事後・影響」とすると、「原因・事前」は何か。

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同時多発テロ事件 出典:詳説世界史(山川出版社)408p
  • 対象学年 3年生
  • 想定所要時間 5分
  • 教員のねらい
中学校でもおそらく習っているであろう内容を、教科書の記述を参考にして文章で記述させる。その際には因果関係を意識できるよう、問題文の表現を工夫した。
  • 想定難易度
 
教科書の記述のみで回答するのであれば、ほぼそのまま抜き出すことができるので極めてやさしい。ただ、教科書の記述は事件の主犯である「イスラーム急進派」の勢力伸長を、湾岸戦争パレスチナ問題に求めており、アル=カーイダやターリバーンなどの組織との連関性が見えにくい。
 
  • 実践してみた結果
苦戦していた生徒が少なからずいた。おそらく普段から太字キーワードのみを意識して読んでおり、文章全体での読解に慣れていないためと思われる。
 
  • 改善策・課題
  太字キーワードのみに着目してしまう生徒に、文章の論理を読み取らせるためにも、こういった問題はなんどか実践して慣れさせなければならない。その際の助言や設問をいかに行うか、今後の課題である。
 また論述では答え合わせの時間短縮のため、模範解答を印刷して配布することにしている。読み流すのを防止するため、模範解答の文を穴埋め形式にして配布しており、生徒はきちんと読んでいるとは思うのだが、自分が作成した文章の添削や改善点がわからず、模範解答の文章をそのまま受け取るだけ、になりやすい。採点の基準のみを配ることも考えられるが、今回みたいなごくわずかな記述をさせる場合は、それもやりにくい。